2013年12月04日

事業承継のスタートラインに立ったとき、まずどのようなことを考えるべきなのかを教えてください。

「いつ」、「誰に」、「何を」、「どのように」承継させるのかを考え、そして、事業承継を行いやすい形に変えておくことを考えるべきです。

1.「いつ」事業承継を行うか
 いつ事業承継を行うかが、現代表者にとって一番に重要です。身体的・能力的・社会的・経営感覚的な限界は、いずれやってくるものであって、その限界がきてもすぐに後継者へ会社を引き渡せるというわけではありません。もし後継者を補助していく期間があるなら、事業承継をソフトランディングさせることが可能だと思われます。その時間の制約を先に把握しておかなければなりませんし、ゴールの時期を明確にすることにより対策の方法も違うものになります。

2.「誰に」承継させるか
 最も悩ましい問題は、誰に承継させるかということでしょう。全ての企業において望ましい後継者がいるわけではなく、後継者が決定しているわけでもないと思われます。親族に承継させたいというケースも、親族に承継させる意思はないというケースも、親族内承継が無理であるというケースもあります。そして、親族内承継が無理でも、古くから会社を一緒に経営してきた役員の中に、引き継ぎたい人がいるケースも存在します。そのような人がいない場合には、外部から後継者を募ることや会社ごと売却すること等も考えてみるべきでしょう。

3.「何を」承継させるか
 会社経営において、「自社株」と、会社の事業に使用している「不動産等」は、重要な承継資産になります。自社株は、後継者の経営権を確保するために重要な資産ですが、経営が順調な状況が続けば、評価額が高くなっていて相続で取得するに当たり納税資金不足に悩む場合があります。不動産等も、経営に必要であるケースがしばしば見受けられますので、相続に当たって売却しなければ納税資金不足に陥るとなれば、その後の会社経営に多大な影響を与えてしまいます。

4.「どのように」事業承継を行うか
 上記1~3の段階を経て、具体的な方法を選択する方向性が見えてきたはずです。これを踏まえ、どのような事業承継方法が経営・組織・租税の面でスムーズであるといえるかについて、検討を行う必要があります。

5.事業承継を行いやすい形に変えておく
 たとえいつ、誰に、何を承継させるかが決まっていなくても、事業承継をしやすい形に変えておくことは必要だと思われます。具体的には、複雑な会社組織形態を再編する、少数株主の持株を金庫株で買収して経営の安定化を図る、現代表者と会社との金銭貸借を解消して流動性を持たせるというような例が考えられます。
 事業承継については、会社ごとに望ましい形があるでしょう。それを念頭に置かず、何とかなるはずだと思っているだけでは、後継者に問題を先送りすることとなります。そして、大企業であれば、後継者の問題のみならず、従業員やその家族の人生にも影響のある問題ですから、一層、経営者として先んじて考えておかなければならないことです。
posted by 相続税 at 09:52| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

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